アロマテラピーも「道」のひとつ
剣道、柔道、華道、茶道…
芸道にしろ、武道にしろ、プロとなり、
師となって、後進に教授する立場になっても
その道をさらに究めるため、日々精進を続ける。
究めても究めきれないのがその「道」
アロマテラピーもその奥深さから、
究めきれない一面を見れば「道」と言っても
良いのではないかとワタシは思います。
NHK(Eテレ)の「100分 de 名著」という番組、
今月(2016年5月)は宮本武蔵の「五輪書」が
テーマとして取り上げられていています。
ふと、書店でそのテキストを見かけたのが
きっかけで第一回目を観ましたが、これが面白い。
タイトルを聞く度、「いつかは読んでみなくては」
と思いながら何となくやり過ごしてきている、
古典の名著の数々。今、Kindoleに「五輪書」、
そして図書館で借りてきた「風姿花伝」が手元に
あって同時並行で読んでいるところ。
「五輪書」は宮本武蔵だけに剣術の書だとばかり
思っていた。けど違う。もっと幅広く奥深い。
読んでいくと、諸芸諸能すべての道において
当てはまる。当然、アロマテラピーもしかり。
この書の中で「拍子」について、書かれている
件(くだり)がある。
拍子(ひょうし)はリズムのこと。
音楽などで拍子と言うと、まわりと合うことを
その基本とするが、
兵法においては、敵と「あふ拍子」を知るとともに、
敵の意表を衝く「ちがふ拍子」も知らなければ
ならないとする。
これは、カウンセリングにおいて、
相手の持つ心身の「拍子」をいかに知り、
いかに合わせたり、変拍子を加えたりして調子を
整えていく、という過程にも当てはまるようだ。
今は「地の巻」。まだ「水(すい)火(か)
風(ふう)空(くう)の巻」が控えている。
読み進めるのが楽しみ。。
100分de名著 2016年5月―NHKテキスト 宮本武蔵五輪書
これ以下はあまりアロマテラピーとは関係が
ない部分だけど、印象に残ったことをメモした
ものを少し。
「巌流島の決闘」の顛末は、映画や芝居などで
繰り返し変奏され、そのイメージがあまりに
強固なものになっているが、
実は吉川英治が書いた小説「宮本武蔵」による
虚像である。
儒教的な考えでは、商人は、人を偽って儲ける者
として卑しまれるが、そのような職業観とも
武蔵は無縁。士農工商はすべて、それぞれに
世の役割を担っている平等な職分であると
とらえている。
剣術は道場稽古のみになってしまった。しかし、
いくら道場で勝てるようになったとしても、
実際の合戦となれば一対一で戦うとは限らない。
また、戦う場も板の間ということはない。
そんな道場稽古だけで勝ちを得ようとするのは
「なまへいほう大疵のもと」
(生兵法は大怪我の基)
<生半可な知識や技術は、かえって
大失敗のもとになる>
と武蔵は批判している。
武蔵にとって「武士の精神」とは死の覚悟など
ではなく、あくまで「すべてにおいて勝つこと」。
勝ち続けて、身を立て、名を上げる。
そのようにして最も優れたものになろうとする
意識こそが兵法の道、すなわち武士の精神。