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アロマノトビラ

~カオリノチカラ~ オトコのアロマ

おすすめアロマ本『<香り>はなぜ脳に効くのか』

図書館~アロマ関連本~

アロマ関連書籍 ~図書館~

アロマテラピー、またはアロマ、香り、匂い、嗅覚などに
関連する書籍を紹介します。
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今回のおすすめはこちら。。

 

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『<香り>はなぜ脳に効くのか』

アロマセラピーと先端医療

塩田清二(著) NHK出版新書

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「アロマテラピー検定」で勉強してきた世界とは
またちょっと違う。。

アロマテラピー検定を主催するAEAJ(日本アロマ環境協会)の
定義・推奨するアロマテラピーとは

「精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法である」

としています。

ちょっとわかりにくいですが、要するに

「医療行為ではありません」(医師法)
「薬を扱っているわけではありません。精油は雑貨」(薬事法)
「あんまやマッサージの類ではありません
(実際、行為は似ているが、免許の必要なマッサージ行為ではない)」
(あはき師法)

等々、様々な「法律に触れない形」で、あくまでも
「香りのチカラで心と身体のバランスを保つ」ことで
健康に暮らしていこう、というもの、
それがホリスティックアロマテラピーと言ってイギリスにおいて
発展したものが取り入れられています。


ところがこの本で語られているのは、フランスなどで医療現場
において実際に活用されている「メディカルアロマテラピー」
というもの。

日本では上記の通り、法律が実際上の障壁となってしまっていて
積極的な導入や発展がみられないものの、
ここ最近の脳科学の発達、臨床実験方法の進歩のおかげで、
嗅覚の神経やホルモンに与える影響などが明らかになり、
アロマテラピーの効果そのものが実証されつつあるようです。

その仕組みを説明されている部分はさすがに専門用語が並ぶ
少々難解な文章が続きますが、この書の読みどころはやはり

どんな医療現場において
どのような形でアロマテラピーが用いられていて
どんな効果があがっているのか

医療現場にいらっしゃるからこそ語ることのできる
多くの興味深い事例の数々でしょう。


花粉症に悩む人 の話から
末期がんによる疼痛になやむ人、緩和ケアでの話まで

幅広く、実際に使用されている精油名も挙げて書かれています。

今、こういった体の悩みを抱えている人にとって
アロマテラピーが解決への「一つの選択肢」になり得ることが
わかり、心の支えとなるのでは、と思います。

ワタシも俄然、この「メディカルアロマテラピー」に興味津々です。
この本も傍線や付箋だらけになってしまいました。

家庭に一冊、あってもいいのでは?おすすめです。

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<少しだけ引用>

日本では個人の責任においてティートリーオイルを紅茶などに一滴
落としたものが、花粉症の発症予防や咳止めなどに使われて…

しかし日本においてはまだまだ美容やリラクゼーション目的という
認識が強く、医療としての意識は薄いようです。これは1980年代に
「英国からの自然派美容マッサージ」という形で、日本に
アロマセラピーが輸入されたことが大きな理由…

奈良の二月堂では行者は行の間、丁子風呂に入って香染めの着物を
着用し、丁子を噛んで呼吸を浄化。導師の座に着座すると、手には
塗香の粉末を塗るしぐさをするのがしきたりとのことです。
この話を聞いて、塗香は日本のアロマセラピーの源流かも知れない
と感じました。塗香はアロマセラピーでいうところの経鼻吸収と
経皮吸収を兼ね備えている…

…アルツハイマー病17人を含む、28人の認知症の高齢者を対象とし
て、アロマセラピーの効果を検討しました。
対象者には28日間、毎朝ローズマリーカンファーとレモンの精油を
毎夜真正ラベンダーとスィートオレンジの精油の芳香浴を、それぞれ
2時間ずつ行いました。
すると、アロマセラピー期間中は、患者の抽象的思考力が有意に
改善されたのです…

特に嗅細胞は、成人の神経細胞では唯一といってよいくらいに
神経再生が起きているところですので、におい刺激を頻繁に与えて
この細胞の再生を活発化すれば、認知症の予防につながる可能性が
あるのです…

…これらの実験から判明した高い抗がん作用が期待される精油成分
に、ゲラニオールがあります。ゲラニオールとは、ゼラニウムや
ローズ、パルマローザなどの精油に多く含まれるモノテルペン
アルコールです…

日本の医療機関でこうしたアロマセラピーによる症状緩和の施術例
は増えつつありますが、医療機関の約8割で導入されているフランス
やベルギーと比べるとまだまだです。日本では教育とトレーニングを
受けた看護師などの医療従事者が不足していることもその理由でしょう。
また残念なことですが、病棟で施術を行う場合、いい香りにもかかわ
らず、同室の他の患者さんに迷惑をかける、と医療機関側が忌避する
傾向もあるようです…

アロマセラピーによる疼痛緩和は、モルヒネなどのような強い鎮痛
効果はありませんが、ゲートコントロールによって、ある程度の
末しょう神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の緩和が可能ですし、
耐性も作られません。さらに、痛みに起因する不眠への効果は高く
精油の芳香浴で70%が改善したという報告があり、
心因性疼痛も緩和します…

柑橘系の精油は交感神経を優位にする作用があります。そのため、
以前から、グレープフルーツのにおいには肥満予防の作用がある
のではないかといわれてきました…(中略)
…すると、6週間後、グレープフルーツ精油を嗅いだグループでは
嗅がせなかったグループより約20グラム軽くなりました。また
グレープフルーツ精油を嗅いだラットは食事量が約7割に減り、
食欲を減らす効果も判明しました…

 


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 <目次>

第1章 嗅覚のメカニズム
 1.においを感じる「仕組み」を知る
 2.なぜ何千種類ものにおいを嗅ぎ分けられるのか
 3.においはダイレクトに脳に働きかける

第2章 <香り>が人体におよぼす作用
 1.急速に進む「におい」の研究
 2.<香り>と医療
 3.アロマセラピーの歴史
 4.アロマセラピーで用いる精油の薬理作用

第3章 治りにくい・予防しにくい疾患に効く<香り>
 1.医療現場で導入が進むアロマセラピー
 2.認知症患者の脳を刺激する<香り>
 3.アルツハイマー病
 4.がん
 5.肥満
 6・動脈硬化性疾患
 7.女性特有の疾患
 8.痛み
 9.そのほかの症状への活用
 10.小児科疾患
 11.<香り>の医療の未来と可能性
 12.メディカルアロマテラピーの今後の課題

第4章 <香り>の効能を楽しむ~精油の使い方
 1.精油を正しく使う
 2.精油選びで知っておきたいこと
 3.精油成分の作用と副作用